こんにちは。DeFi牧場のおーじぃです。
日本国内にも仮想通貨のレンディングサービスはありますが、年利2~15%の利息は国内サービスよりも条件が良さそうです。
今回は、世界最王手レンディングサービス「BlockFi」について深堀りしてみたいと思います。
2022年7月、財務的困難に見舞れたBlockFiは、最大2億4,000万ドル(約325億円)で買収する権利に合意。今後株主の承認を経て、BlockFiはFTXグループの傘下に入る見込みです。
2022年11月11日、FTX破綻の煽りを受け、BlockFiが顧客の出金を停止。新規口座開設も現状はできません。
一方、Nexoは公式に「FTX/アラメダへの資産割合は$0である」ことを宣言しています。
2022年11月15日「Wall Street Journal」の報道でBlockFiが「米連邦破産法11条」に基づいた破産申請の準備をしていることが判明。
その後11/28に正式に請願書を提出したことにより、債権取立が停止され、経営を継続しながら負債の削減を実施、原則120日以内に再建プランを策定する事になります。詳細|BlockFiによる公式発表
BlockFi(ブロックファイ)とは?
BlockFiとは、2017年にニューヨークに設立された仮想通貨における銀行的存在です。
もともとは機関投資家向けに仮想通貨の貸し借りで収益を上げていましたが、2019年3月から一般投資家向けに「インタレスト(利息)アカウント」がリリースされました。
2021年3月時点では、
口座開設費・維持費・月1回の出金(指定通貨のみ)が全て無料で、資金のロック期間もなく、入金した仮想通貨の利息を受け取ることが出来ます。
※ちなみにBlockFiは「DeFi(分散型金融)」ではなく「CeFi(中央集権型金融)」に分類されます。
BlockFiの利息金利
BlockFi利息金利は、市況に応じてほぼ毎月微調整されます。
数量制限(Tier)のある通貨の金利
最大年利がもらえる数量には上限があり、2〜3段階で徐々に利率が下がります。
Tier 1 | Tier 2 | Tier 3 | ||||
上限量 | 年利 | 上限量 | 年利 | 上限量 | 年利 | |
BTC | 〜0.1 | 3.5% | 0.1〜0.35 | 2.5% | 0.35〜 | 2.5% |
ETH | 〜1.5 | 3.5% | 1.5〜5 | 2.0% | 5〜 | 2.0% |
LTC | 〜20 | 2% | 20〜100 | 1% | 100〜 | 0.1% |
LINK | 〜100 | 1% | 100〜500 | 0.2% | 500〜 | 0.1% |
USDC GUSD PAX BUSD | 〜2万 | 8.5% | 2万〜2M | 7.5% | 2M〜 | 7.5% |
DAI | 〜2万 | 6% | 2万〜2M | 4% | 2M〜 | 3.5% |
USDT | 〜2万 | 8.75% | 2万〜5M | 8% | 5M〜 | 8% |
PAXG | 〜1.5 | 1% | 1.5〜5 | 0.2% | 5〜 | 0.1% |
UNI | 〜100 | 3% | 100〜500 | 2% | 500〜 | 2% |
BAT | 〜4千 | 1% | 4千〜 2万 | 0.2% | 2万〜 | 0.1% |
更新時の改悪は赤色下線部、改善は青色下線部
数量制限なしの通貨の金利
以下の通貨に関しては、数量制限はなく預け入れ全額に金利が発生します。
通貨名 | APY(年利) |
DOT | 10% |
ATOM/NEAR | 7% |
TRX | 6% |
ADA/MATIC SOL/AVAX | 5% |
BNB/FTT/BCH FTM/MANA/AXS SAND/EOS/AAVE GALA/RUNE/SRM HBAR/LRC/XTZ OMG | 3% |
ALGO | 2.5% |
DOGE/FIL | 2% |
更新時の改悪は赤色下線部、改善は青色下線部
競合他社比較
「BlockFi」のビットコインに対する利息金利は、2021年9月から続く金利改悪&数量制限の設定で「Nexo」と比較しだいぶ見劣りするようになりました。
1BTCを1年間預けた場合の実質年利は2.6%になってしまいます(´;ω;`)
※2022年9月現在の金利の場合
Tier1(第1階層) 0.1BTC × 3.5% = 0.0035BTC
Tier2(第2階層) 0.35BTC x 2.5% = 0.00875BTC
Tier3(第3階層) 0.55BTC x 2.5% = 0.01375BTC
▶合計 0.026BTC
BlockFiを利用する際は、Tier1~2の数量上限を意識しつつ、あくまで分散口座の1つとして活用するのが良さそうです。
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受取通貨を選択できる!
デフォルトでは、受取通貨は入金した通貨と同じ通貨で振り込まれます。
オプションで、利息の受取を別の通貨に指定することもできます。
ただし、いくつかの条件があります。
・対応通貨【BTC/ETH/LTC/LINK/PAXG/USDT/USDC/BUSD/PAX/GUSD】
・受取通貨を指定する場合、すべての口座の利息が指定した通貨になる。
・1%の両替手数料がかかる
手数料がかかるので、単に利息分のトレードを自動化したいという人以外、利用するメリットはなさそうですね。。。
BlockFiの出金手数料【月1回無料】
BlockFiの出金手数料は、毎月(30日間)1回まで無料です。
ただし、2021年12月以降、無料出金の対象は【BTC/LTC/ステーブルコイン】のみになりました。
出金手数料(無料枠を利用済みの場合)
無料対象外(対象でも2回目以降)の送金では、以下の出金手数料が必要になります。
無料枠 | 通貨 | 手数料 |
対象 | BTC | 0.00075 BTC |
対象 | LTC | 0.001 LTC |
対象 | ステーブル コイン | 50 USD |
– | ETH | 0.015 ETH |
– | LINK | 2 LINK |
– | PAXG | 0.035 PAXG |
– | UNI | 2.5 UNI |
– | BAT | 60 BAT |
※最低引き出し額は、資産預け先のGeminiの規定により、0.003BTC/0.056ETH相当が基準となり、これより少額の場合は、処理時間が最大30日かかる可能性があります。
BlockFiを使うメリット
BlockFiを使ってみたいなと思ったポイントをまとめてみました。
安全性が比較的高い
ユーザーが預けた資産は、Gemini、BitGo、Coinbaseなど、複数のカストディアン(保管・管理専門業者)に分散し、常に引き出し可能な状態で保管されています。
参考|How does BlockFi custody assets?
いつでも出金できる
ロック期間がないため、いつでも仮想通貨を引出すことが可能です。
しかも、前述したとおり、月1回までの送金手数料が無料(BTC/LTC/ステーブルコイン)です。
ただし、アメリカとの時差も考慮すると引出しの処理には、2~3営業日はかかりそうです。
参考|Can I withdraw any time?
高金利&複利運用できる
利息は入金翌日から発生し、毎月第1営業日に支払われます。
元本に利息を加えた額に対し、利息が発生するので毎月複利運用ができます。
参考|How does BlockFi Interest work?
口座内でトレードもできる
口座内の仮想通貨を利用したトレードも可能です。
取引手数料は無料ですが、1%程度のスプレッドが設定されるようです。
参考|How is the trade price set?
FTXの後ろ盾
2022年3月に発生したTerra(LUNA)崩壊のアオリを受け、財務危機にさらされたBlockFiですが、大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXとの買収契約が進んでおり、一時は大幅に低下した利息に関しても、徐々に回復してきており、今後も安定的な継続利用が期待できそうです。
BlockFiのデメリット
BlockFiを使う上で気をつけたいポイントをまとめてみました。
日本語未対応
2021年3月時点では、日本語でサービスを利用することは出来ません。
英語が苦手な場合は、Google翻訳などを活用してご利用下さい。
出金のタイムラグ
定期預金のようなロック期間がないとは言え、出金には2〜3営業日必要なので、価格の暴落時のポジション変更など、緊急的な対応はできない可能性があります。
倒産リスク
BlockFiは、銀行のようなサービスを提供していますが、法律上の銀行ではありません。
そのため、米国の預金保険制度(FDIC)などの対象にはなりません。
顧客の資産を守るための十分な安全対策は取られていますが、元本が保証されるものではありません。
参考|What are the risks with depositing my crypto at BlockFi?
BlockFiの使い方
BlockFiの登録方法や使い方は別記事にまとめています。
結論 ビットコインの保管先の一つとして使おう!
今回は、世界最王手レンディングサービス「BlockFi」について深堀りしてみました。
日本の金利では考えられない最大15%という高水準の利回りはとても魅力的ですが、元本が保証されない以上、すべての資産を預けるのは流石にリスクが高すぎます。
とは言え、資産の一部を運用するには良いのかなと思います。
ではまた!
関連|おすすめレンディングサービス
海外レンディングは、いくつかありますのでそれぞれ比較してみて、ご自身の運用方針にあったサービスを選んでみてください!