こんにちは。DeFi牧場のおーじぃ(@DeFi_Ranch)です。
DeFiをフル活用する上で欠かせないのがセカンドレイヤー(Layer2)と呼ばれるイーサリアムの拡張(スケーリング)技術です。
2021年にDeFiやNFTでの利用増に伴いイーサリアムの手数料が高騰したため、セカンドレイヤー技術の必要性が高まりました。
そこで今回の記事では、現時点で実用化されている「レイヤー2」プロトコルをまとめてみたいと思います。
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レイヤー2ブロックチェーンプロトコル銘柄一覧
DeFiLlamaを参考にTVL(プロトコルにロックされた価値の総量)が100億円を超える規模で足切りして、6+2のプロトコルを抜粋し、一覧表にまとめてみました。
※比較のため、①イーサリアム、②Lightning Network(ビットコインのレイヤー2)の2つも表に含めました。
※2022年2月時点
拡張技術 | プロトコルで利用されている スケーリング技術の名称 |
プロトコル数 | そのブロックチェーン上で 動くアプリの数 |
TVL/Pro | 1プロトコルあたりの 平均TVL(TLV÷プロトコル数) |
レイヤー2のポジション競争の中でもOptimistic rollupsを採用するArbitrium、Metis、Optimismは、特に激しい戦いを繰り広げており、今後の展開が気になるところです。
ここであらためて拡張技術の基礎についておさらいしておきましょう!
イーサリアムのスケーリングソリューション(拡張技術)とは?
スケーリングソリューションとは、イーサリアムの「処理速度」と「処理量」を向上させる技術です。
イーサリアムの利用者が増えたことにより手数料が高騰したため、その必要性が高まっています。
スケーリングの種類は、大きくオンチェーンとオフチェーンに分けられます。
①オンチェーンスケーリング
②オフチェーンスケーリング
オンチェーンは、その名の通りプロトコル本体を改変して機能を拡張。
一方、オフチェーンは、プロトコルの外側で機能を拡張します。
オンチェーンスケーリングとは?
オンチェーンスケーリングは、本体に改変を加える必要があるため、導入までに長時間を要します。
現在、導入が予定されているオンチェーンのスケーリングは、以下の2つです。
①PoWからPoSへの移行
②Sharding(シャーディング)
PoWからPoSへの移行
現時点でイーサリアムのコンセンサスアルゴリズム(合意方法)は、ビットコイン同様プルーフ・オブ・ワーク(PoW)が採用されています。
プルーフ・オブ・ワークでは、マイナーが仕事(=電力)を投資することで、取引を検証し、セキュリティーを保護しますが、エネルギーを大量に必要とし、持続可能性(環境配慮)の点でも問題視されています。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用すれば、エネルギー消費量を軽減(99%削減を想定)するだけでなく、検証作業を効率化することができ、取引の処理速度を上げることが可能になります。
イーサリアムのPoSへの移行は、現時点で2022年前半の予定となっています。
Sharding(シャーディング)
シャーディングの日本訳は「遮蔽(しゃへい)」で、物陰に隠して見えなくすること。
データベースを複数に分割して記録することで負荷を分散させる手法を指します。
シャーディングは、検証時間を高速化するだけでなく、必要なハードウェアの要件を減らす効果もあります。
これにより、個人で所有するノートパソコンやスマートフォンでもイーサリアムを実行でき、ネットワークの分散化が進むことでセキュリティの向上にも繋がります。
イーサリアムのシャードチェーンの導入は、現時点で2023年以降の予定となっています。
オフチェーン(レイヤー2)スケーリングとは?
オフチェーンスケーリングは、本体に改変を加える必要がないため、様々な目的達成のため比較的自由に技術を開発することができます。
現在、以下の4つの技術が利用されています。
コンセンサス | |
Rollup | レイヤー1利用 |
State channel | レイヤー1利用 |
Plasma | レイヤー1子チェーン利用 |
Sidechain | 独自チェーン利用 |
各技術の特徴については、次の項で詳しく解説します。
レイヤー2スケーリング技術一覧
4つのスケーリング技術にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
Rollup(ロールアップ)
ロールアップは、イーサリアムのメインチェーン(レイヤー1)の外部で取引を実行し、そのデータをまとめてレイヤー1に投稿する技術です。
最終的な取引明細はレイヤー1に残るため、セキュリティーは保護されます。
しかし、もし悪意のある取引(お金がないのに買い物をする的な)が実行されたらどうなるのか?
現在、この解決方法が2種類用意されています。
①Optimistic(楽観的) rollups
→性善説を前提に取引して、不正行為を見つけ証明できたら、デポジット(Bond)没収
②Zero-knowledge(ゼロ知識) rollups
→ゼロ知識証明(※後述)を利用し、オフチェーン上だけで取引を完了させる。
①Optimistic rollupsは過渡期の技術であり、長期的には②Zero-knowledge rollupsが支持されるだろう。というのが、イーサリアム創設者ヴィタリック氏の見解です。
それぞれ詳しくみていきましょう!
Optimistic rollups(楽観的ロールアップ)
楽観的ロールアップでは、その名の通り「性善説」に基づいて取引を処理します。とはいえ、ユーザーに不正があった場合、オペレーター(運用者)に課した保証金(Bond)が没収され、原状回復されます。
不正確認の猶予が必要なため、もしユーザーが資金をメインチェーンに戻したい場合は、7日間程度待つ必要があります。
Zero-knowledge rollups(ゼロ知識ロールアップ)
ゼロ知識ロールアップでは「ゼロ知識証明」を利用することで取引を処理します。
ゼロ知識証明とは?
ゼロ知識証明とは「とある知識」を持っていることをその知識の内容を明らかにせずに“持っていること”だけを証明することです。
例えば「パスワードは知っているけど、それが何かは教えらんない」状況で、正しいパスワードを持っていることを証明する。みたいな…
分かりやすい動画がありましたので、興味のある方はぜひ視聴してみてください!
※動画は全体で10分ほどですが、お急ぎの場合3分〜6分あたりだけでも理解できます。
State channel(ステートチャンネル)
ステートチャンネルは、あらかじめ特定の参加者グループで保証金をロックし、その中で取引を実行し、最終的なデータだけをまとめてレイヤー1に投稿する技術です。
基本的には、トークンの転送やスワップなどの取引をサポートし、汎用的なスマートコントラクトには対応していません。
最終的な取引明細はレイヤー1に残るため、セキュリティーが保護されます。
ステートチャンネル同士をつなぎネットワーク化することで、グループ外への送金もでき、中でもビットコインの「Lightning Network」 は少額決済の手段として実装が進んでいます。
Plasma(プラズマ)
プラズマでは、イーサリアムのブロックチェーンに対し、ツリー状に小チェーンが連なって接続され、子チェーン上の取引の最終結果だけを親チェーンに伝達していきます。
こちらも基本的には、トークンの転送やスワップなどの取引をサポートし、汎用的なスマートコントラクトには対応していません。
最終的な取引明細はレイヤー1に残るため、セキュリティーが保護されます。
比較的、ステートチャンネルと似ていますが、相違点がいくつかあります。
ステートチャンネル | プラズマ | |
参加者 | チャンネル開始時に固定 | いつでも参加できる |
イーサリアムの ブロック生成時間 | 最終データの投稿以外 影響を受けない | 連動する |
途中の状態 | 記録されない | 小チェーン上に記録される |
汎用スマートコントラクト | 使用できない | 使用できない |
Sidechain(サイドチェーン)
サイドチェーンは、イーサリアムに並行して実行され、独立して動作する別もののブロックチェーンです。
独自のコンセンサスアルゴリズム(合意方法)を利用しているため、レイヤー1のセキュリティーによって保護はされていません。
イーサリアムとの互換性が高く、制作したアプリを同等の見た目や動作で再現することができます。
まとめ
今回の記事では、現時点で実用化されている「レイヤー2プロトコル」と関連したスケーリング技術をまとめてみました。
複雑な技術ですが、今後活用するシーンはますます増えてくると思いますので、少しずつ知識をつけて行きましょう!
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